弾指の章

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夕立

しどけなく味気ないガム噛みながら、なにがそんなに悲しいのかい

かなかながないているのかな
かなかなとないているのかな

絵を表示します 598×450 ; 36.5KB

あめ

そうですか、ああそうですか、そうですな。今日はひと雨くるそうですな。

ひねもす ふりみふらずみ きつね そらにいそがし てんきあめ


星月夜 - つき

でかけよう。人に会おう。空を飛ぼう。月へ行こう。

月に星、空に雲ひとつ 云いぶんに、ちょっとのあいだ消えてみたりして。


星月夜 - ほし

ほしのかけらがよぞらをなでてきえいるようにないていた

桑の実のあおよりも濃いさびしさの空はひしめく星の億万


石の街

水銀と硫黄のこころに塩をなすホムンクルスのはじめのうれい
おもしろきこともなき世にありてなほおもしろかりき人ぞかなしき

がらがらと嗤うてれびに沿うように父の嗤いのがらがらという


みぞれ

あの夏は、行っちまったよ
あかあかと、涙こらえた
夕焼けこえて

せっかちトンカチ
あったまデッカチ
うっすらトンカチ

ハンカチまるめて
あっさりセンチな
ネッカチーフさ

絵を表示します 360×440 ; 21.1KB

蛮声

虫這う高さからあおぐあお空にあおくさき詩を詠まんか春は

要領よく生きる器用に魅いられ あまた風の子また風のなか

岩雲の夏に死にゆく少年の青みにましてけもの肥れり


あくゆうに

飢えながら日々のたのしさなつかしさ友の行くべく俺もゆこうか

いつかまた逢えるだろうと楽観し約束の日を決めずわかれる

ゆくすえにあたらしき日を標榜す友のひとみのかがやきまさる

寸劇啖呵

もうここで決めてくれと祈りふくめ幾ところかの面接終える

庭に花きそいながら咲きいでてわが身せまさを見透かしている

追いつかれ追われ疲れてまた明日また明日こそ追いつかれぬを


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