徘徊のポッケ

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ゆきし野に月の輪のある散歩かな

かさこそ かさこそ 静かな晩だ

じわじわ ざわざわ ぞわぞわ ずわいがに

柿の種ほどの月を肴にする


幾何と音楽

点と線ながれて すきま風たのし

絵を表示します 400×450 ; 59.2KB

食事

そうであることにおどろく苹菓(りんご)かな

五杯目のコーヒーそそぐ朝あくび


漂白

ケイコウ燈ひとつふたつ影をいれる

絵を表示します 340×333 ; 53.7KB

ひそひそ声のうちに朧はびこる

哲学する猫の体温にあずかる


並話諧談

太陽をぐっと呑みこむ山笑う

焼き太陽 青紫色の沈澱

絵を表示します 320×420 ; 35.5KB

紫蘇をつみつつ火色の燃えつきるまで

えそらごと そらにえがいて ひこうせん

ちらちら からから 扇風機の回想

空気の城

枯れえだにかかる夕日で目をさます

日がおちたとたんたちまち月があらわれた

大アクビついて十七の冬がくる


十代の平凡

にわとりのあたまのなかもみどりいろ

花蜂の針のはじめのやわらかさ

えそらごと そらにえがいて十五歳

草笛の譜のアドリブで二十歳


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